ラップから導き出した勝ち馬！

◎リメイクの連勝に期待します。デビュー戦のときは追切りで遅れてばかりいたので評価を下げて失敗したのですが、実戦に行って高いポテンシャルを発揮する驚きの内容でした。大きく離された2着馬バルムンク（池添学厩舎）は10月17日の阪神のダート1400メートルを1分26秒3で楽勝したのでメンバーに恵まれたわけではありません。特筆すべきはレースのラスト2ハロンが11秒9-12秒2だったことです。最後は流していたので追っていれば間違いなく11秒台だったでしょう。


実は…ということもないですが、ダートで11秒台を連続でマークするのはスローで流れても2歳戦ではレアケースです。記憶に残るなかでは昨年11月20日の阪神・未勝利ダート1800メートルでバーデンヴァイラー（斉藤崇厩舎）が11秒8-11秒9をマークして勝っています。現在は２勝クラスで足踏みしていますが、骨折明けの3走前は古馬2勝クラスを1秒上回る時計で圧勝しました。おそらく、先々は重賞でも勝ち負けになる素質馬だと思います。これに準ずるのは昨年9月19日の中京のダート1800メートルの新馬戦を楽勝したタイセイアゲインです。レースはスローで流れたのですが、ラストはまったくの馬なりで12秒0-11秒８でした。2走目は東京のプラタナス賞（ダート1600メートル）で連勝を飾りました。この2つの例で価値が高いことはわかってもらえると思います。


ダートの番組は芝に比べて圧倒的に少ないので1勝クラスとはいえ、メンバーは楽でありません。1番人気が予想されるコンクパールは小倉の1700メートルが初ダートだったにも関わらず1分44秒8のレコードで大楽勝しました。同じ日の古馬1勝クラスを勝ったサンバデジャネイロとは同じ走破時計。先ほど名前を出したタイセイアゲインが古馬2勝クラスを1分43秒1で勝っています。優秀なラップから、この馬に勝てる可能性があるあるのはリメイクしかいないという判断です。


ラニ産駒が気難しいとよく聞きますが、「初戦は返し馬やポケットで危うい面がありそうな雰囲気はありました。レースではすべてがうまく運んだ感じはありますね。砂を被ったり揉まれ込んだりしたときがどうかですけど、能力は高いと思います」と鮫島克駿騎手。現段階でラニ産駒は12頭がデビューしてムーヴ（池上昌和厩舎）とこの馬しか勝ち上がっていません。ヘニーヒューズのようにコンスタントに勝ち馬を送り出す種牡馬ではなさそうですが、UAEダービーを勝ち、アメリカの三冠レースを皆勤した無類のタフネスぶりを発揮した馬なので大物を出す可能性はあるはずです。強さと脆さが同居したタイプかも知れませんが、今回あっさりと勝つようなら間違いなく重賞級でしょう。