「最強の証明」

ラストランらしく次を考えずに目一杯に仕上げられてきたグランアレグリア。
はたまた8分のデキの前走を叩きキッチリと上向かせて臨戦してきているシュネルマイスター。
ただでさえ、強い馬が文句なしの状態。
「ひょっとしたら歴史に残るかもしれない」
今回はそれぐらいに素晴らしいレースが期待できると思う。

だが忘れてはいないか。
2歳時は無敵の王者、そして3歳時は適正外の距離ながらコントレイルのライバル役を立派に演じきっていた彼のことを。
確かに、ここ3戦はパッとしない。
だが、どれも敗因はハッキリとしているのだ。
3走前はそれこそ脇に徹してきた弊害。久々のマイルの流れに戸惑い流れに乗れなかった。
2走前はドロドロの極悪馬場。
前走などは調整過程すら順調ではなかったように、そもそもデキが一息。
少なくとも、まともになど走っていないのである。
無敵時代に4走前の毎日王冠の内容なら十分に戦えるはずなのに…

だからこそだろう。
今回は堀厩舎としては珍しく調整に力が入っている。
時間をかけて立て直し、念入りも念入りな乗り込み。
まさに研ぎ澄まされたかのように仕上げられてきた。
更にはブリンカーの装着。
これにより、良い意味で若かりし頃の荒々しいまでの迫力を取り戻させることにも成功している。

ならば復権の条件は全て整ったと言えよう。
後は最強であることを証明するのみ。
サリオス◎