女心と秋の空

女心と秋の空ー変わりやすいものの例えだが、今回のエリザベス女王杯は、頭を真っさらにしてもう一度考え直すと予想も違う結論になるのではないか、と思えるほど悩ましい一戦だ。

人気順に考察していくが、まずはラッキーライラック。連覇がかかるわけだが、舞台は京都外回りから阪神内回りへと替わり、同じ距離であっても昨年の勝利がアドバンテージとはならないだろう。ただ、GI３勝の底力には一目置かざるをえない。

ラヴズオンリーユーは、昨年の３着がオークス以来の久々だったことを考えれば、臨戦過程からもそれ以上の走りが期待できよう。惜しむらくはオークスから勝ち星が遠ざかっていることで、ハナ差負けの鳴尾記念からも、ツキや運に見放されている感も受ける。

ノームコアは、ラッキーライラックに決定的な差を付けた札幌記念が強かった。ベストは1600～2000ｍだろうが、あと200ｍを誤魔化すことができる鞍上なら、距離の心配もないだろう。

正直言って人気ほどの差のない３頭に、もう１頭付け加えるなら、センテリュオだ。ジックリと力を付けてきて、前走のオールカマーで待望の重賞初制覇を飾ったわけだが、2014年にはオールカマーで２着だったラキシスが勝ち、翌年にはマリアライト、ヌーヴォレコルトとオールカマー組がワンツーフィニッシュを決めたように、ローテーション的にも魅力がある。しかも、前記３頭はいずれもオールカマーで勝っていないのに対し、こちらは勝ち馬として堂々と参戦するのだから、上位人気３頭との差もGI勝ちがあるかないかだけの差ではないか。

この４頭のどれに◎を打つか。どの馬にも資格があるだけに迷うところだが、“迷ったら人気のない方へ”というのは、長年にわたって染み付いた習性であり、そういう意味では“迷わずに”センテリュオを◎とした。