お気に入り予想家

予想家をお気に入り登録すると、このリストに表示されます。お気に入り登録をするには有料会員登録が必要です。

Vへの最短距離

優馬所属のVtuber

美駒駿兎Vtuber

情報

ラップで分かる!あのレースの真実。第2回・エリザベス女王杯(2020.11.15)

100 P

 何故あの馬は負けたのか、本当に強い競馬をしたのはどの馬か、ラップタイムを紐解くことで見えてくるレースの「真実」をご紹介します!

 第2回はエリザベス女王杯。何故ノームコアは逃げたのか、何故あれほどまでに失速したのか、そして何故ラッキーライラックは連覇が可能だったのか、ラップタイムと共に振り返りながら考えていきます。

本文

 確たる逃げ馬不在でスローペースになる…という戦前の見立てでしたが、まさかノームコアが逃げるとは…。鞍上が横山典Jですから、後から考えれば確かにその可能性もあったな、と思いましたが、レース内容が誤算だったのはその鞍上もまた然りなのではないでしょうか。

 というのも問題はペース。クロコスミアが逃げた昨年は前半3Fが37秒6(12.7-11.6-13.3)ですから、今年の前半3F34秒9(12.6-11.1-11.2)は明らかに速すぎます。今年は例年の京都開催ではなく、阪神開催に替わってスタート直後にゴール前の急坂を越える必要があるだけに、高速馬場の分を差し引いても…です。
 逃げたノームコアが後続を引き離した3F目が11秒2と、ペースを落とせなかったことで消耗してしまいましたし、向正面でも12秒台前半の淀みないラップを刻み、見た目にも力んだような走りだっただけに、直線入口では既に余力なしの状態。その後は抵抗できずに後退してしまいました。僕は決して距離が敗因だとは思いません。しっかりとした先導役がいれば、今日のような展開・馬場状態であれば上位争いになったはずです。状態面が一息だった可能性や、関西圏への輸送が良くない可能性も考えられますが。

 連覇達成のラッキーライラックは素直に強かったですね。大外枠で難しい競馬になると思っていましたが、中団の揉まれない位置で、それほどロスもないポジションが取れました。3角の入りでウラヌスチャームが先に仕掛けましたが、これをパスしてから進出。残り800m地点から12.0-11.9-11.1と加速していくレースの流れの中、大外を抜群の手応えで進出。直線入口で逃げたノームコアを交わして勝負アリといったところでしょうか。
 ラスト1Fが11秒8と、やや失速しましたが、これは同馬が一瞬のキレで勝負するタイプで、これまで勝ったレースはすべて同様の傾向です(今春の大阪杯1着時もラスト3Fが11.3-11.2-11.7というラップでした)。前半の位置取りと仕掛け所で繊細な判断が必要になるタイプですが、次走予定と目されている有馬記念も舞台設定的には合っていると思います。

 2着サラキア、3着ラヴズオンリーユーは中団~やや後方から。道中が淀みないラップとなったことで差しやすい展開にはなりましたが、全体的に引き締まったラップなので、力がないと差せないのもまた確か。充実一途のサラキアと完調手前のラヴズオンリーユー、僅かな差ですがゴール前の勢いの差はここだったのかな、と思います。

 4着ウインマリリンは9番人気の低評価を覆す好走。ノームコアから少し離れた2番手を進んだリアアメリアを見る形で3番手。勝負所でも最内でじっとしていたことで一旦はポジションを下げましたが、直線は渋太く盛り返してきました。先行勢にとっては難しい展開だったことを考えると、オークス2着の力は見せたと思います。これは2番手から運んだリアアメリア(7着)も同様に言えますし、スタートを決めて好位から運んだソフトフルート(6着)もまた同じ。3歳世代は3冠馬の陰に隠れがちですが、トップクラスでも戦えるレベルにあると思います。

 センテリュオ(5着)は、流石に位置取りが後ろ過ぎた感もありますが、上がり3Fは勝ったラッキーライラックと同じ33秒9。もう少し早目に動けるようになるなど、他力ではなく自力で打開できるレースが出来ると良いのですが…。

 ノームコアの「暴走」は想定外でしたが、それ以外で考えると勝ちタイムの2.10.3はコースレコードから0.2秒差ですから、レベルの高い一戦となったと思います。個人的には本命ノームコアだっただけに、悔しさの残る一戦ではありましたが…。