「府中のマイルは…」

またもや人気馬が大外枠へ…
不思議なことが続くものである。
ただし、今回の舞台設定であれば、8枠18番を引かされたからといって有利でこそなくとも不利だと騒ぎ立てるほどではあるまい。
基本的に府中の芝1600メートルというのは、国内でも数少ない力と力の勝負になりやすい平等なコース形態なのである。
緩やかなワンターンでスタート直後のバックストレッチも最後の直線も十分な長さを確保。
それによって不確定要素がレースに与える影響は限りなく少ないのだ。
むしろ、ここで外枠だから…内枠だから…をレース後に敗因として挙げられるているようなら、よっぽど運が悪かったか、その程度の馬でしかなかったかのどちらか。

前者に限っては何とも言えない。
だが、この馬が後者に当て嵌まることだけはない。
それこそ中間の時点から異常を来たしていた共同通信杯を除けば、ひたすら強い競馬をしてきたではないか。
特に朝日杯FSにアーリントンCの2戦は着順、着差以上の評価が必要だろう。
共に仕掛けを待たされワンタイミング以上は動き出しが遅れてのもの。
あれはジワジワと加速を得る同馬にとって、かなり痛かったはずなのだ。
だが、それでも3走前には世代トップクラスを追い詰め、前走では同開催に行われた桜花賞の勝ち時計を上回って快勝してみせた。
むしろマイルの力比べなら望むところなのである。
幸いなことに、この中間の気配も良い。
ならば大外枠だろうと何だろうと関係ない。

府中のマイルは強い馬が勝つ。
ダノンスコーピオン◎