何でもできる人と馬

力勝負の東京マイル。基本的には枠順の優劣は少ないと思うが、個で考えた際にパフォーマンスの上げ下げは生じると思う。言ってみれば経験値。強い馬が勝つのが理想ではあるが、時にはそれを上回る１２０％の競馬というのが存在するのも確か。そんな観点から、他馬に比べて手札が多いマテンロウオリオンを本命に据えてみたい。

２戦目の初勝利は飛び級の１勝クラス。後方からの目の覚めるような大外一気はインパクト大だったが、２勝目となったシンザン記念では馬の行く気に逆らわず好位に付け、そのまま内ラチ沿いから抜け出しての勝利。初勝利のインパクトからすると地味な叩き合いだったが、幅という意味では新味を見せた一戦だったように思う。そして２着に敗れた前走のNZT。ここではスローペースで我慢させ、３分３厘から外に持ち出しての差し込み。展開を支配したジャングロにアタマ差及ばなかったが、これまでとはまた違う競馬で好走、負けたこと以外は非常に濃い競馬をしたと思っている。

それぞれのレースで様々な形を経験しながら迎えるのが今回の本番。単純な鞍上とのコンタクトはもちろん、内でも外でも、前目でも後ろでも勝つビジョンが浮かぶのは非常に頼もしい。常に宥めるのに苦労する勝ち気な気性もペースが流れる本番で自然と矯正されそうな良い要素。今まで以上にスムーズな折り合いなら、プラスαまで期待できるというものだろう。


何でもできる名手が何でもできる馬で選択の幅も広い最内枠をゲット。勝利の道筋はより濃くなったとみる。力比べで〇セリフォス、▼ダノスコーピオンを本線とは考えているが、人気が無さ過ぎに感じている牝馬の注アルーリングウェイには穴の期待が。１点強調しておきたい目だ。