ガラリ一変！

今春のG1は難しいレースが続いている印象ですが、残りの4レースを的中させるためにも、最初にここまで施行された6レースの傾向を確認しておきます。1人気が勝っていないことは広く知られていますが、3番人気以内で馬券になったのは大阪杯のレイパパレ（3人気2着）、桜花賞はウォーターナビレラ（3人気2着）、皐月賞はイクイノックス（3人気2着）とドウデュース（1人気3着）、ＮＨＫマイルカップはマテンロウオリオン（3人気2着）、ヴィクトリアマイルはファインルージュ（3人気2着）の6頭でした。これを多いと見るか少ないと見るかは個人差があるでしょうが、どのレースも自信をもって本線で仕留めるのは難しかったな、と改めて思います。

血統面ではキングカメハメハの血をもっている馬が必ず3着までに入っています。高松宮記念から順にキルロード（父の父）、アリーヴォ（父の父）、スターズオンアース（父の父）、ジオグリフ（母の父）、ダノンスコーピオン（父の父）、ソダシ（母の父）です。ポイントは直仔がいないことで、オークスでも過去に12頭が出走して2016年にシンハライトの2着だったチェッキーノだけでエリカヴィータとスタニングローズには嫌なデータとなっています。一方、母の父は【1.2.1.6】と好成績です。

さて、桜花賞は1着から18着までが史上最少の1.4秒という着差の大接戦でインコース、先行有利の馬場バイアスだったので大敗からの巻き返しも十分にありそうです。これにつぐ着差が1.5秒差だったレッツゴードンキが圧勝した2015年は忘れな草賞の勝ち馬ミッキークイーンが1着、2、3着は桜花賞で9着のルージュバック、2着のクルミナルでした。やはり、軸馬は【7.5.4.63】でレベルが一番高かった桜花賞から選ぶべきでしょう。

◎ライラックのフェアリーＳは出遅れて残り1000メートル地点からスパートして終始、外々を回るレースでした。ロスなく運んだスターズオンアースとは着差以上に力差があり、相当なスタミナを秘めていることを証明しました。長くいい脚を使うタイプで昨年３着のハギノピリナと似た馬だと思います。前走はすぐに息が入ったとのことでまったく走っていないので大敗を気にする必要はありません。中間は毎週、金曜に横山和騎手でゲート練習をしているので五分に出れば…の期待込みの本命です。昨年のユーバーレーベンと同じ【1.0.2.3】のステイゴールド系で母の父キンカメと血統面での後押しもあります。

〇サークルオブライフの桜花賞は外枠でロスがありながら上がり最速で一番強いレースをしたのは言うまでもありません。いかにもオークスで狙えるタイプです。父はデアリングタクトと同じエピファネイアで母の父アドマイヤジャパンは菊花賞でディープインパクトの2着だったので距離延長、少なくとも3歳の牝馬同士なら2400メートルは問題ないでしょう。

▲アートハウスの忘れな草賞（2分00秒3）は最後に抑える余裕がありながら、ラスト3ハロンは11.7-11.6-11.1という加速ラップでした。同じローテで臨んだミッキークイーンは2分03秒5で12.0-11.1-11.6、ラヴズオンリーユーが2分00秒6で11.5-11.5-12.0だったので数字の上では2頭を上回る素質を秘めている可能性があります。桜花賞組をまとめて負かしても不思議ないでしょう。

注 プレサージュリフトの前走は初めての長距離輸送と右回りなど条件が悪かったので11着は想定の範囲内です。東京コースの直接対決で桜花賞馬を退けている点を高く評価しました。クイーンCで勝つか2着していた馬は過去10年でヴィルシーナ、ミッキークイーン、アドマイヤミヤビ、クロノジェネシス、アカイトリノムスメなど好走例が多く、課題のゲートを克服すれば一発があっていい思います。

△スターズオンアースは乗った騎手たちがみんな素質を絶賛しているという話を聞きました。前走はレースセンスの良さと川田騎手の判断など、すべてがうまく運んだ印象がありますが、【2.3.1.0】という成績とルメール騎手なら乗り替わりはマイナスにはならないはずです。

以下、大きな割引材料がないベルクレスタ、ウォーターナビレラまでを押えることにします。

ナミュールの桜花賞は外枠や早めに動いたことを敗因として挙げる人がいたのですが、チューリップ賞を100％に仕上げた反動があったと見る方が妥当だと思います。最終追いは前脚の回転は速いもののトモに力強さが足りないように映りました。あくまで個人的な見立てですが、オープン級の馬が好調なら坂路ではもっとウッドチップが舞い上がるものです。状態面での上積みが感じられないので消しとします。