どうせなら、これからの馬を買いたい

その年によってメンバーレベルの差があるとはいえ、“北の天皇賞”の異名を持ちＧIレベルの馬たちの参戦がある札幌記念と比べると、小粒でいかにも夏場のハンデ重賞の佇まいを見せる函館記念。サマーシリーズの王者も生まれているとはいえ、そこはあくまでこの夏に勝負をかけた馬たちであり、秋以降の大舞台へのステップとする馬が少ないのは淋しい限りだ。ただ、ここで勝つチャンスはあっても先の見えている馬より、買ってみたいのは秋に可能性を秘めた馬の方ではないだろうか。どうせ何が来ても不思議はないハンデ重賞なら、なおさらそう思う。

◎はスカーフェイスとした。６歳馬だが、オープン入りしたのが５歳の１１月という遅咲きであり、オープン昇格後もＧIIIでは崩れ知らずで、ＧI初挑戦となった前走の大阪杯でも６着ながら上がりはメンバー最速を計時している。父ハーツクライも、３歳時に重賞を勝っていたものの、ＧI制覇は４歳暮れの有馬記念まで待たされた遅咲きの馬。そして産駒も、古馬になってからの成長力という点では競走馬としても種牡馬としてもライバルだったディープインパクトを凌駕している。５５キロのハンデを貰ってここで重賞初制覇。父のように、とまでは言わないが、秋には一線級の馬たちと再び相対するシーンを望みたい。