４コーナーで馬券が買えるなら誰も苦労はしない

この世界に入ったころ、大先輩に聞いた昔話。

いわゆる“ノミ屋”へ発走前に電話をかけて、他のいくつものレースの馬券を買って、目の前のテレビで観ているレースの４コーナーを回ったところで、最後にそのレースの馬券を買うという、インチキだ。仮にノミ屋がそのテレビを観ていたとしても、買い目をメモするのに夢中でスルーしてしまうというカラクリだ。

逃げ先行馬が圧倒的有利の新潟ダートにおいて、ご多分に漏れず、このレースでも過去１０年で逃げた馬が半数以上の６連対。４コーナーを４番手以内で回った馬が連対馬２０頭中、１５頭までを占めるのなら、そんなノミ屋潰しも有効となるレース。ただ、何がハナを切るのか、何が４コーナーを４番手以内で回るのか。それがわかれば誰も苦労しないのだが、わからないメンバー構成でもある。それ以前に、ノミ屋で馬券を買ってはいけません。

では、何が前に行くのか、であるが、楽なペースだったり違う舞台で先行できた馬でも、このメンバーとこの舞台で前に行けるかどうかは未知数だろう。そんな中で、新潟１８００ダートで先行して結果を出したことがあるメンバーで唯一の馬がメイショウユヅルハだ。前走のわらび賞がそうなのだが、このレースは翌日の古馬２勝クラスとほとんど同じラップで決着タイムもコンマ１秒遅いだけ。２番手からの楽勝だったことを考えても、古馬２勝クラスを明らかに上回る性能を、この舞台で示したことに他ならないだろう。前走で２勝クラスを勝った２頭が人気の一角を占めるのであれば、当然足りていいはずだ。