二度とない豪華なメンバー

無敗の三冠馬に加え、芝GI８勝という新記録を打ち立てたアーモンドアイの参戦により、二度と見られないような豪華なメンバーが集まった。馬券を離れても非常に興味深いレースになったが、◎はこれが引退となるアーモンドアイで。前走の天皇賞秋は、前半の１０００メートルが６０秒５のスローペースで決め手比べになったが、前に居たダノンプレミアムもキセキも直線半ばには早々に脱落し、併せる相手も居なかった分フィエールマンとクロノジェネシスに迫られる形になった。しかし、そこで勝ち切れるのがアーモンドアイで、安田記念とは違いシッカリ手前も替えていたし、有馬記念のときのように掛かるところもなかった。走破時計や着差から年齢による衰えを指摘する声もあるが、個人的にこれはレースの流れや展開のアヤといえるもので、能力云々ではないと思う。今回も短期放牧を挟み、デビュー戦初めて入厩から１０日での競馬になるが、国枝師は「いつも通り変わりないよ。順調。ずっと高いレベルで状態を維持できるし、いつもいいパフォーマンスを見せてくれるから、引退レースのここでも楽しみにしている」と、これまたいつもと変わりない飄々とした口調で語ってくれた。また「先週のマイルＣＳ見たろ？フジさん(藤沢和師)とこのグランアレグリアはあんなに強かったから、安田記念で負けたのも仕方なかったかな…」と振り返っていたが、やはり距離適性の差が如実に出た結果なのだと思う。今回は２年前のＪＣ以来となる２４００メートル戦だが、世界レコードとなる２分２０秒６という時計で駆け抜け、思わず「ダビスタかよ！」と突っ込んでしまったほど、あまりの強さに驚かされた。三冠を達成した秋華賞や大楽勝だった昨年の天皇賞秋、同じく楽勝だったヴィクトリアマイルなど、走るたびに感動を与えてくれたアーモンドアイのラストレースに、勝利を信じて馬単で大勝負といきたい。