参考にならない参考レース

上位３着までの馬が揃って出走し、しかも今回と同じ舞台で行われたＣＢＣ賞は、今回における最大の参考レースとなるだろう。４８キロの軽量を生かしたとはいえ、２着馬にコンマ６秒もの“大差”を付けたテイエムスパーダが、斤量増とはいえ５１キロ止まりなら、その差が埋まるとは思えない、という考え方自体は間違いではない。ただし、正解となるのは、同じ条件下で行なわれた場合の話であり、ＣＢＣ賞当時と今回とでは決定的に馬場が違う。

そういう意味で、むしろこちらの方が参考になるのでは、と思えるのが土曜のメインレースだ。３勝クラスで１分７秒３の決着だったが、中間の降雨の影響が残って良馬場発表でもけっしてパンパンの状態ではないと判断できる数字であり、土曜の夜半から再び雨予報も出ているのなら、それより時計がかかる決着となっても不思議ではない。

◎はアネゴハダ。過去３勝の中に、ダートの新馬戦と、稍重での一戦が含まれているように、少し時計のかかる馬場が理想の馬だが、究極の時計勝負となったＣＢＣ賞で３着に踏み止まったのは絶対能力の高さを示すもの。３キロ増やされた勝ち馬とは対照的に、こちらは据え置きの４９キロで、なおかつ馬場の追い風もあるのなら逆転もありうる。それよりも強敵となるのは、この距離無敗、小倉でも無敗のナムラクレアだろうが、決して楽ではない外の枠を引いたことで、ロスや不利の可能性もあるだけに、決して難攻不落の存在ではないはずだ。