秋へのステップ

ジャックルマロワ賞の予想コメントでも名前を挙げたタイキシャトルがレースを見届けたかのようなタイミングで天国に召され、そして、名伯楽中の名伯楽、伊藤雄二元調教師が札幌記念を目前に控えて…。

思い返せば、札幌記念がＧIIIからＧIIへの昇格元年となった１９９７年。エアグルーヴで制して、続く天皇賞（秋）もバブルガムフェローと死闘を演じての勝利。札幌記念をステップに秋のＧIへ、という今では普通のローテーションの嚆矢と言えるのが、その年であったのだ。翌年もエアグルーヴで連覇し、その後もエアエミネム、ファインモーションと、調教師人生の最晩年に４勝も挙げた札幌記念。今年も、秋へいいステップを踏む馬が勝つ。いや、逆か。ここを勝った馬が秋にもビッグタイトルを掴むことは間違いないだろう。

さて、パンサラッサとジャックドールが２頭でガリガリ競り合うことはまずないと考えていいが、飛ばすパンサに離されないようにジャックは付いていくはずであり、さらにそれらを見ながらソダシも昨年同様に早めに動くとしたら、トンでもない流れになる可能性はある。だからといって前の組が総崩れになるというのも考えにくいが、少なくともジックリ構えて差せる馬、そしてそれだけの厳しい流れにも対応できるスタミナのある馬、もっと長い距離で実績を残している馬、というのが勝ち馬のイメージだ。

◎はグローリーヴェイズ。２０００ｍは距離不足という見方もあるが、なおさら上記の条件にも合うはずだ。初の札幌も洋芝の香港での実績を考えれば不安視する必要もなく、国内でのＧI制覇へ向けて、いいステップを踏んでくれると信じている。