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ラップで分かる!あのレースの真実。第4回・ジャパンカップ(2020.11.29)

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 何故あの馬は負けたのか、本当に強い競馬をしたのはどの馬か、ラップタイムを紐解くことで見えてくるレースの「真実」をご紹介します!

 第4回はジャパンカップ。アーモンドアイが「V9」で有終の美を飾った歴史的一戦。コントレイル、デアリングタクトのレースぶりも含めて振り返っていきましょう。

本文

 アーモンドアイが絶好のスタートを決めて、この時点で半分くらいは勝負アリ、という気もしなくもないですが、これを制してハナを切ったのがキセキでした。外枠のヨシオもダッシュ良く先行態勢でしたが、内外の差で無理をせず、トーラスジェミニも鞍上がすぐに番手の競馬を選択したような1角までの先行争いとなりました。

 しかし、問題はそこから。キセキが少し掛かり気味とはいえ、大逃げの格好になって3F目で11.8と落としたラップを11.3-11.3-11.5と再びペースアップして後続を2秒半以上離す展開に。1000m通過時点でアーモンドアイとの差は約3秒弱ほど。後続にとってはミドルペース位でしょうか。

 3F毎のタイムを並べると、35.3-34.1-34.8-37.8となり、キセキのラスト3Fは38.9。レースの2000m通過である1.57.5というタイムは暴発だとしても能力なしには出せないものです。

 アーモンドアイ個別のラスト3Fのラップは手動計測ですと、11.5-11.3-11.9くらいでしょうか。ラスト1Fが少し失速気味ですが、好位4番手からこのラップで走られると後続にとっては厳しいものがありますね。ある程度、時計の出る馬場ではありましたが、内目が荒れていて各馬が外を回るロスがありましたから、尚更です。2.23.0という勝ち時計も馬場差を考えると、通常であれば22秒台前半か、それを切るくらいの決着時計に相当すると考えてよさそうですね。最後は左ムチを入れられて少し右にヨレ気味でしたから、力を出し切ったという走りでした。

 初めて土が付いたコントレイルとデアリングタクトですが、負けたのがアーモンドアイで良かったというのが率直な感想でもあります。直線入口でデアリングタクトは外に外に進路を求めましたが、コントレイルは内に切れ込み加減で接触しそうになる場面がありました。結果としてデアリングタクトは内に押し込められてしまうロスが発生。ともに勝ち馬を上回る上がり3Fでレースを終えていますが、ゴール前の走りを見た印象では脚を余したという感じはありませんでした。

 アーモンドアイとコントレイル&デアリングタクトの差はやはり経験値も大きかったと思います。また、神野いんくとの生放送でも話しましたが、2頭はまだ成長途上の馬体でしたし、状態面でもアーモンドアイが8~9に対してコントレイルは7前後、デアリングタクト6~7くらいと見えました。そういった意味では、来年以降が楽しみです。まずはジックリと疲れを癒してもらいたいですね。

 4着カレンブーケドールはアーモンドアイとコントレイル&デアリングタクトの間のポジション、5着グローリーヴェイズはアーモンドアイの前のポジションにそれぞれ展開。グローリーヴェイズは早目に仕掛けて勝ちに行った分、最後は少し甘くなってしまった印象です。逆にカレンブーケドールは3強の間に入ってしまい、持ち味の渋太さをあと一歩引き出せず、という印象です。どちらもパドックでの状態の良さが目立っていましたから、3強に迫るならという視点では納得の走りです。

 レース全体を振り返ると、キセキが大逃げの形を取ったことで、各馬の作戦・方針が明確になり、純粋な力勝負になったと思います。キセキがもう少し溜め逃げの形なら後続の仕掛け所も変わってはずなので。そういった意味でも「日本一決定戦」に相応しい、素晴らしいレースだったと思います。各馬の走り、そしてこの対決を実現させてくれた全てに感謝を表したいです。