「奇をてらう必要なし」

7着に終わったオークスだが、いくら何でも積極的すぎたきらいはある。
いくら離し気味に逃げていた馬が絶妙にペースをコントロールしていたとはいえ、あそこまで早目に潰しに行く必要があったのだろうか。
だが、何度かレースを見返していて気づく。
あれは積極的に動きたかったわけではない…
おそらく、勝てるとしたら、あそこで動くしかなかったのだ。

道中は何とか我慢していたものの、基本的には掛かり気味。
相当なスタミナをロスし続けていたはず。
そもそもがスピード寄りの馬。
このまま、逃げ馬のペースに付き合っていては、それすらも交わせるのか解らないという川田騎手の判断だったのだろう。
わざわざ桜花賞馬を断ってまで乗ったという経緯もあった。
だからこそ、脚の使える内に動いていったのではないのか。
あわよくば、そのまま押し切ってくれると信じて…

結果は逃げ馬こそ捕まえたものの、ラスト1Fで大失速。
冒頭で触れた通り、ただの早仕掛けに終わる。
だが、あの時点でも一つ仕掛けを待てたら勝負になっていた可能性は高い。
何せ、あれだけ強引な形であろうと一瞬は押し切りかけたことは事実なのだから。

それを踏まえて前哨戦のローズSを見て欲しい。
前を捕まえ後ろが迫れば迫っただけ伸びた、あの姿を。

この距離なら、奇をてらう必要なし。
正攻法での圧勝を期待して…
アートハウス◎