「強い馬が勝つんでしょ？」

そもそも今年の日本ダービーは伊達にレースレコードが出ていない。
中盤で軽く一息入った程度で最初から最後まで、ほとんど緩みのない厳しい流れ。
単純に強くないと上位にこれない、相当にレベルの高いレースだったのである。
当然ながら、あの時の着順というのは純粋な現3歳世代の強者ランキングでしかなかろう。
しかし、そのランキングがセントライト記念にて早くも崩れてしまった。
なぜなら日本ダービーで3着、積極策で自身も従来のレースレコードを更新していたことを思えば、堂々たる世代No.3であるアスクビクターモアを、あろうことか真っ向勝負で捻じ伏せてしまった馬が出現したからだ。

とはいえ、下克上的な感じかと言うと少し違う。
同馬はデビュー戦で世代のキングであるドウデュースと少差で駆けていたし、小倉の国東特別では2000メートルを1分56秒台と次開催とはいえ古馬重賞を上回る時計で圧勝した実績持ち。
見ようによっては夏の上がり馬、だが実際は春に力を発揮できなかった下地の確かな馬でしかないのである。

とりあえずスピードに勝負強さは世代上位は間違いない。
問題は3000メートルに対応できるかどうかだが、そこは母系に眠るダンスインザダークの血が何とかしてくれると信じたい。

だって「強い馬が勝つのが菊花賞」なんでしょ？
今年のメンバーなら悩むまでもなく最強は同馬。

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