春の借りを返してもらおうか

桜花賞でもオークスでも◎を打ったピンハイに、改めて確信の◎を打つ。

最内枠から上手に立ち回ったチューリップ賞と同様に、桜花賞でも内目の枠から直線で進路確保に苦労しながらも掲示板を確保。ただ、この時点では、ミッキーアイル産駒ならマイルまでの馬だろう、と思った人が大多数だったのではないだろうか。その思いも頭の隅に置きながら、桜花賞の直線で他馬と接触しながらも脚を伸ばした勝負根性に賭けて◎を打ったオークスだが、正直な話、４０２キロと馬体重が発表された時点で、これはダメかもと思った。４２０キロでのデビュー戦から、使うたびに馬体が減って桜花賞では４０６キロ。オークスでは馬体回復が最低条件だと考えていたからだ。

ただ、結果は桜花賞よりもひとつ着順を上げての４着。しかもラスト１００ｍだけに限れば一番いい脚を使っていたのは、この馬ではなかったか。マイルまでの馬どころか、距離が延びていい馬だったことを証明した形であり、馬体さえ戻すことができていれば、あるいは、の感すら抱かせる走りだった。

当然ながら◎を打つつもりであった秋華賞は除外の憂き目に遭ったが、自己条件に回った前走が出走できていれば、と思わせる勝ちっぷり。この馬は強いかもしれない、という春の予感は、完全に確信に変わった。もちろん、ここで春の借りはしっかりと返してもらおうではないか。