ダート界の新しい王者へ

前走の日本テレビ盃ではダート戦で初めて掲示板を外し７着と惨敗を喫したノットゥルノ。大型馬でストライドが大きいタイプで地方特有の小回りコースへの対応力、陣営も敗因の一つとして挙げているパサパサに乾き砂質の違う船橋のダートも合わなかった印象が強いと見る。

小回りコースへの適正という部分では、５月に園田で行われた兵庫CSでも適正の差が表れていた。勝ち馬のブリッツファングがスムーズに加速していく一方、ジリジリとしか押し上げて行けず、最後の直線部分では勢いがついたものの時既に遅し。１秒３差離されての２着が精一杯だった。

真価を見せたのはその後のジャパンダートダービー。雨で湿ったダートで走りやすい部分もあったのは確かだが、地方の中では広いコース形態の大井では実にスムーズな立ち回りを見せた。ユニコーンSを制し後にJBCクラシックでも３着に好走したペイシャエス、園田で敗戦を喫したブリッツファング、今回も対戦するハピなどを完封してのG１勝利。恐らく、この時に見せた姿がノットゥルノの本来の姿だろう。

今回の舞台となる中京コースなら比較的スムーズに立ち回れるはず。良馬場でも特に不安はないが当日に雨が降るのであれば、ノットゥルノには恵みの雨だろう。

実績ではテーオーケインズに劣るのは明らかだが、３歳馬で１キロ軽い５６キロ。地方交流戦を主に使われたことで中央のダートでどれだけの能力が出せるのか、むしろ楽しみに感じる部分のほうが大きい。今になって振り返ってみれば、４連勝でJBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナ相手にモタれながらも快勝を収めた１勝クラスの勝ちっぷりから頭角を現すであろう片鱗は見せていた。ここを制することができれば、来年は飛躍を遂げる１年となるに違いない。