強運を武器として

まずは、このレースにちなんだクイズをひとつ。

「ウオッカ、トールポピー、ブエナビスタ、ジョワドヴィーヴル。この４頭だけに共通する点は何でしょう？」

全て、その後に桜花賞で１番人気になってはいるが、阪神ＪＦを勝って桜花賞で１番人気になった馬は、他にも沢山いる。

正解は「抽選で出走した阪神ＪＦの勝ち馬」である。２００６年のウオッカから２０１１年のジョワドヴィーヴルまでの６年で４勝と、この時期はモノ凄い確率で抽選出走組が勝ちまくったが、以降は途絶えてしまっている。そんな出来事も忘れた頃に…というパターンがあってもいいのではないか。

◎はシンリョクカ。僅か３頭の枠を９頭で争った抽選を経ての出走だ。

デビュー戦は、スローペースの馬群の中でしっかりと折り合い、直線でそとへ持ち出されて残り１ハロンで先頭に立つと、そこから一気に後続に３馬身半の差を付けての快勝。まだ完成されたとは言えない走りだったが、相当な素材であることは確かで、ラストの回転のいいフットワークは、良馬場のより瞬発力の生きる馬場でこその印象を受けた。

そのキャリア１戦だけでは…と言うのなら、人気を集めるアルテミスＳの１・２着馬だってキャリア１戦であのパフォーマンスを見せたわけであり、素材が同等かそれ以上であったなら、ここで互角以上の戦いができて不思議はない。

何より９分の３の狭き門をくぐり抜けた強運を見逃すことはできないだろう。レース史上５頭目の快挙を、その強運が後押ししてくれると信じている。