おひねりは不要

ハードル界における不世出の名馬のラストランを、是非とも目に焼き付けておきたい一戦。そのオジュウチョウサンが平地に戻って有馬記念に挑戦したのは４年前のことだが、当時の有馬に出走していた馬の中には、サトノダイヤモンドやミッキーロケットなど、すでに産駒がデビューしている馬もいるのだから、ここまで王者としての走りを続けてきたことには、本当に頭が下がる。

しかしながら、引退レースにおひねりは要らない。そのおひねり馬券が売れるのであれば、引導を渡す馬を探すのが利口ではないか。

◎はケンホファヴァルト。グランドジャンプも含めたこの大障害コースでは、過去２・２・４着。春のグランドジャンプではオジュウの軍門に下ったものの、昨年の同じレースではオジュウに先着を果たしており、対戦成績は１勝１敗だ。オジュウほどではないにしろ、賞金を稼いでいるために使うレースも限られ、調整の難しさもあるが、今回は入障後で初めてとなる平地競走を叩いての参戦。対戦比較でプラスに持っていくラストチャンスに賭ける意気込みが伝わってくる。目の上のタンコブだったメイショウダッサイもすでに引退したことで、９歳の新王者が誕生してもいいのではないか。