早い段階から決めていた◎で勝負

昨年のこのレースから丸一年のスプリント路線を振り返ってみると、重賞を連勝した馬はいないばかりか、複数勝った馬すらごく少数という状況。重賞が行なわれるたびに勢力図が書き換えられる戦国ムードと言えるだろう。そう考えると、人気に反映される目下の勢力図の順列通りの決着もまた、あり得ないことではないだろうか。

◎トウシンマカオは、昨秋の京阪杯を完勝した時点で、よほどのことがない限り高松宮記念で◎を打とうと決めていた馬。もちろん、京阪杯から格段に相手が強くはなるが、年齢的な上昇度を見込めば勝負になると思ったからだ。

前走のシルクロードＳでは、目下のスプリント界の掟通りに４着と敗れ、勢力図の順列を下げる形となったが、内有利の馬場での大外枠を考えると、そこまで評価を下げる内容ではなかったはずだ。今回もまた外めの枠が当たったが、実はこの路線に転向してからの４戦中３戦までが大外枠だったものであり、勝った京阪杯にしても外から３番目。それに比べると、外から５番目の今回は、十分マシである。

テスコボーイから脈々と受け継がれた貴重な父系の血。これをまた次の世代に継承する使命がある馬なのだから、ここで勝ってもらわないと困るのだ。