MARVEL

本番に於いて重要視したいのは上昇度。実力伯仲の一戦ならば尚更で、前哨戦はあくまで本番に繋がる一つのファクターでしかない。単純な結果だけに捕らわれず、各陣営の青写真をハッキリ具現化したいところだ。

などど思考を重ねつつ本命は迷ったが、伸び盛りの４歳馬ウインマーベルに託すことにした。シルクロードSはハンデ５９キロの酷量。今年からの斤量面の見直しによって課された重量だが、これが応えたか、さすがに結果を残すには至らなかった。ただ当時はプラス１２キロの明らかに緩い体つき。斤量どうこうは戦前から予見できたことだし、陣営もあくまで前哨戦と割り切って臨んだように思える。その証拠に、この中間は週２本だった追い切りを週３本に増やす分かりやすい調教強化を敢行。これに耐えながら、最終追いでは前走時を１、５秒も上回る時計で３頭併せも消化しておりギアがグンと上がってきた。その上で調教後の馬体重が前走出走時と同じ４８０キロならば、中京へ持って行き一段と締まってくるだろう。

狭い所をこじ開けて差し込んだスプリンターズS２着の内容は暫定王者と評価するに値するだけのもの。単純な力比較での上位評価も間違いないだけに、混戦の路線を断つマーベルヒーローの誕生を期待して止まない。