瞼の裏にいるようで

展開的にはジャックドールの逃げか。喧嘩を仕掛けてまで機先を制す馬は見当たらず、平均からやや速い程度の流れになりそうか。となれば脚質による有利不利はあまり無さそうで、明白な力量差も感じないこの組み合わせなら、勝負に肝は内回りの競馬らしく器用さになる気がしてならない。そんな思考を巡らせながら鞍上や枠順込みで注目してみたいのが◎マテンロウレオだ。

立て続けの遠征が祟ったかクラシック戦線では結果が出せなかったが、立て直されたアンドロメダSではあっさりと古馬を撃破。続く中日新聞杯も外枠の難しい立場から好立ち回りを見せ２着に奮闘、中山金杯はスムーズに運べず不完全燃焼だったが、手綱が主戦に戻った前走の京都記念は内々のタイトな進路でシッカリ巻き返してきた。

精神面の成長と共にどんな競馬でもできる器用さを身に付けており、立ち回りが求められるこの条件で崩れることは全く想像がつかない。実際に阪神内回りでは１、１、２着の好成績だったりもする。雨天であったり外的な不安材料も今週には見当たらず、先述の淡々とした展開なら自身の良さが存分に活かせる状況になるだろう。

瞳を閉じ、３月９日に急逝した父ハーツクライに思いを。
どれほど強くなれたでしょうと問う一戦だ。