福島巧者！

福島コースの芝1800メートルのスタート地点はV字の谷の部分にあたり、上り坂になっています。これが序盤のペースが上がらない主な理由で3、4コーナーもスパイラルカーブを採用しているので逃げ・先行タイプがそのまま残るケースが少なくありません。新潟開催を除く過去9年で4コーナー2番手以内の馬は11頭が馬券になっています。一方、上がり最速馬は【4.1.1.5】で勝負処から進出して長く脚を使える馬にも注意が必要でしょう。

過去9年のローテ別では同じ距離の牝馬限定戦である中山牝馬Ｓ組が【6.6.1.49】と圧倒的なシェアを占めています。この組の年齢別では4歳【1.2.0.17】、5歳【3.4.1.17】です。これらのデータも加味して◎はウインピクシスとしました。前走はスタートでトモを滑らせたにも関わらず大外枠からハナを主張しました。本来ならペースが落ちる5、6ハロンのラップが11.4-11.9で息が入らなかったので最後に失速したのは仕方ないでしょう。2走前の2着馬リューベックは次走で勝利し、中山記念は6着でしたが、着差は0.2秒でした。福島コースは2戦2勝と相性もいいので限定戦の重賞なら力は十分に足りるはずです。ちなみにゴールドシップ×母父ロージズインメイの配合はニックスでオークス馬ユーバーレーベンや2戦2勝で皐月賞に出走したマイネルラウレアを出して成功パターンのひとつになっています。

〇クリノプレミアムも結果的に中山牝馬では途中からポジションを上げることによってウインピクシスだけでなく、自分までも苦しい展開にしてしまいました。トップハンデだったことも考えれば0.7秒差の5着は悲観する必要はまったくないでしょう。この馬は切れるより機動力を生かすタイプなので広いコースより小回りで持ち味が出るタイプです。重賞で馬券圏内の4回は中山3回、福島1回というのは偶然ではありません。流れひとつで巻き返し可能でしょう。

▲ストーリアは52キロの軽量と流れの味方もあっての2着でしたが、元々、秋華賞でも0.4秒差の8着と重賞級の能力は秘めていました。斤量が3キロ増えるので単穴の評価としましたが、皐月賞、東京スプリントを連勝して勢いに乗っている横山武史騎手の手綱捌きで騎乗機会３回連続の重賞制覇があるかも知れません。

以下、ダービー卿はスローで展開が向かなかったものの1800メートルは【4.1.3.4】のミスニューヨーク、菊花賞馬キセキの全妹で更に良化の余地がありそうなビッグリボン、金鯱賞と大阪杯は相手強く、小回りの上がりを要する流れが合うステラリア、重賞Vの実績があるエリカヴィータ、ホウオウエミーズまでを押えます。