“怪物退治”はこの人馬にお任せあれ！

◎ファントムシーフ

数々のＧＩ馬を輩出してきた“クラシックの登竜門”共同通信杯を歴代３位の好タイムで完勝した◎ファントムシーフ。

明らかに〔東京＞中山〕のタイプで、「皐月賞よりもダービーが本領発揮できる舞台」と前走を予想する段階から決め打ちしていた一頭。

その共同通信杯では、皐月賞２着馬〇タスティエーラを退けており、間違いなくＧＩで勝ち負けできるポテンシャルの持ち主。

さらにダービー６勝の名手が鞍上なら鬼に金棒だ。

本馬は血統的にも注目で、父の父ダンシリと母の母プロミシングリードは同じ「デインヒル×（カヤージ×ケラリ）」というカップリングで、両者は従兄妹にあたる。

いわば再従兄妹同士の配合で、血筋的には「２×２」といってもいい“濃密なインブリード”を有しているのである。

エルコンドルパサー、エネイブルのように時として「怪物」を生み出すことのある“濃密なインブリード”だけに本馬もまだ奥がある可能性は非常に高い。

現役時代キングジョージを歴史的な11馬身差で圧勝した父ハービンジャーはサンデー系・キングマンボ系の肌に交配することを主眼に日本で導入された。
しかし、本馬はそれらと異なる欧州血統の濃密なクロスを有しており、これまでのハービンジャー産駒とは全くの“異色の配合”といえる。

ここまで多数のＧＩ馬を輩出するも、後継種牡馬がいない父ハービンジャー。

本馬の血統ならサンデー系の肌が飽和状態にある日本において交配の難しさもなく、父の後継となれる可能性は十分にある。

「種牡馬選定競走」としての意義もある世代の頂点を決める最高の舞台で、父にとっても新しい希望の光となるような走りを期待したい！

馬券は〇タスティエーラ、▲スキルヴィングと計３頭を中心に狙う。

評価を落とした△ソールオリエンスは、混戦模様だった皐月賞とは一転して、ダービーは一強ムードが漂っている。しかし、この中間は調教でも行きたがる素振りをみせており、東京2400ｍを走り切る上で重要な「折り合い面」を不安視する声も。

もとより同馬はキタサンブラック産駒といえど、母系は短距離～マイラーよりの血統でスキアの仔は総じて距離がもたない。体型的にも寸が詰まり気味の馬体をしており、どちらかといえばマイラー的な要素の方が強いようにも思える。

若馬は実戦を重ねるごとに血統の危うさが出てくるケースも多々あり、わずかキャリア３戦で、今回最も間隔が詰まることになる同馬は、その危うさが大一番で露呈してしまう可能性も十分に考えられる。