それぞれの再出発

中山外回り２２００ｍという舞台は、国内で他に似たものが見つけられないほど特殊なコース形態だ。勝負どころからのロングスパートを強いられた上で、最後の直線でも急坂をクリアしなければならないという点で、距離以上のスタミナが要求されることになり、同じ中山でも内回りの２０００ｍや２５００ｍとは求められる資質が全く違う。それこそ、新潟直線１０００ｍのような特殊なコース適性が必要となる。

注目の復帰戦となるタイトルホルダーだが、天皇賞でのダメージがどうこうよりも、気になるのは２年前の同舞台セントライト記念で13着と惨敗していること。次走で菊花賞を勝っているように、能力的な問題ではないのであれば、明らかに適性に不安を残す馬である。敢えて復帰戦にそれ以来となる中山２２００ｍを選択した陣営の胸の内は計り知れないが、状態が戻っているとしても◎とするにはためらいがある。

◎はガイアフォースとした。春はマイル路線に転じて、安田記念でも僅差の４着と好走。この秋の路線選択も流動的だったが、一応は天皇賞を目標としての始動戦であり、昨年のセントライト記念では菊花賞を抑えて勝った舞台なら、コース適性への不安もない。遡ればデビュー戦でもダービー馬ドウデュースのクビ差２着であり、潜在能力は間違いなくＧIレベルに達している馬。ここは錚々たるメンバーが揃ったが、ＧI馬の仲間入りをするためのステップとなる可能性が高いと見た。