男の意地を見せてくれ

先日発表されたＪＲＡ賞競走馬部門の記者投票の集計結果だが、以前に私も投票者だった時代に、どんな状況であっても“該当馬なし”とするのは記者としてあるべき姿ではないと思っていた。しかし、今回の“最優秀４歳以上牡馬”部門で、１８票もの“該当馬なし”があったのは、至極当然かもしれない。それほど牝馬が年間を通して圧倒し、反面、牡馬がだらしなかった昨年の古馬戦線において、受賞したフィエールマンには申し訳ないが、仕方なくそう記入した記者も多かったはずで、無効になるのを承知で、“クロノジェネシス”と書きたかった記者もいたのではないだろうか。

明け３歳世代の初重賞となるここでも、牝馬ククナが注目を集めている。そもそもシンザン記念は、同時期に同じ距離のフェアリーＳが組まれるようになった２００９年以降に、ジェンティルドンナ、アーモンドアイと２頭の三冠牝馬を送り出しているのだから、出走頭数を考えても牝馬上位と言えるレースだ。クラシックを見据えた牡馬たちが一旦は休養する時期でもあるだけに仕方ないとはいえ、ここはオトコ馬の奮起に期待すべく、バスラットレオンに期待した。

前走の朝日杯ＦＳは、上位２頭にこそ完敗したが、１番人気のレッドベルオーブには半馬身差に食い下がっての４着なら、それ相応の評価を与えていい内容だ。札幌２歳Ｓでは牝馬２頭に遅れを取っての３着だったが、レコード決着となったハイペースを２番手で追走したことを思えばこれまた悪い内容ではなく、その上位２頭が阪神ＪＦでも１・３着と結果を残したほどのハイレベルだったなら、評価を上げていいだろう。先行力を生かせる今の中京の馬場で、今度は牝馬を封じて男の意地を見せてほしい。