時にはハマる

　競友の紙面でも書いたが、能力値から判断すれば上半期のクラシック・皐月賞とダービーでワンツーを決めているソールオリエンスとタスティエーラを軸に組み立てていくことが自然だろう。だが不安点がないわけではなく、前者は右回りでのコーナーリングに依然として課題が残っており、２週目の加速がついての下りに大きく膨れるのではないかという懸念。そして後者のタスティエーラはぶっつけでの３０００メートル戦で、当初のひと叩きしてからというプランを変更しての臨戦過程。ダービー５着のノッキングポイントが新潟記念を制し、トップナイフが古馬Ｇ２札幌記念２着なら信頼すべき線といえるが、攻めに回った予想を展開してもいい状況にはある。
　本命としたのはサトノグランツ。ダービーでの内容を考えると逆転するのは想像しづらいが、折り合いぴったりに力みがなくリラックスした走り、道中でスッと動けず反応が遅れるあたりは長距離戦でこそと思わせるもので、ここでヴェールを脱ぐ可能性はある。ラスト３ハロンが１０秒台の速いラップが続いた神戸新聞杯の差し切りは本来得意とするところではなく、地力強化の証しとみる。かなり思い込み？が強いといえば強いが、時にはハマるものでもある。