ピースは埋まった

◎はナミュールとした。

阪神ＪＦを含めた世代のＧIでは、常に人気を集めながら勝利を手にすることができなかった。ただ、いずれも１００％の力を出し切れていなかったものであり、最高着順だった秋華賞にしても４コーナーで外へ膨れていなければ、という２着。ＧIを勝つだけの能力を持ちながら、結果を出せないのには、運だけではなく大事なピースも欠けていたと言える。

長く主戦を務めてきた横山武史からモレイラへと鞍上が替わった前走の富士Ｓでは、３歳春のチューリップ賞以来となる久々の勝利を挙げたが、直線で狭いところを割って伸びて抜け出したのには少々驚かされた。これまでは同じようなシーンでブレーキがかかったり、そもそもそういう競馬ができないために外を回したりして、フルに能力を発揮することができなかった馬。精神面での成長もあることを考えれば、横山武史を責めることもできないが、いずれにしろ欠けていたピースが埋まったと見ていいだろう。

安田記念の勝ち馬のみならず、今年のＧI勝ち馬が不在というメンバーであれば、ピースを埋めたこの馬が主役を演じ切れると判断した。