“生涯最後”のＧＩ大勝負！

◎スターズオンアース

本馬のベストレースを挙げるとするなら、今回と同じ東京芝2400ｍのオークスに他ならない。
大外枠から終始外々を回るロスの多い形ながら、メンバー唯一の上がり33秒台で豪快に突き抜ける圧巻のパフォーマンス。

それもラスト４Ｆ〔11.6－11.3－11.7－11.8〕と11秒台が連続するハイラップを差し切ってのもので、並大抵の馬にはできない芸当であったことは間違いない。

その後は両前肢の剥離骨折明けの秋華賞、今年の始動戦の大阪杯と、決して同馬にとってベストとは言えない阪神内回りコースで、負けて強しを印象付ける好内容。

特に大阪杯に至っては、１コーナー手前で挟まれる不利がありポジションを取れず。ましてや展開も極端な前残りになったにもかかわらず、逃げたジャックドールよりも１秒近く速い上がりで後方からハナ差まで猛追。
もはや牡馬一線級相手でも脚力が秀でた存在であることは明らか。

前走のヴィクトリアマイルはトップマイラーたちとの瞬発力の差が最後のゴール前の伸びに出てしまったが、本質的に中距離～中長距離向きで全く悲観する内容ではない。
むしろスタートを決めて、マイルでも正攻法の競馬ができた点に収穫があったと見るべきだ。

この秋は天皇賞を右前肢の蹄の不安で回避する形となったが、結果的に世界レコードが出るような消耗の激しいレースをパスできたことは不幸中の幸い。

それに天皇賞時の１週前追い切りでは引っ掛かって併せ馬にならなかった経緯もあり、この中間シッカリと我慢を利かせて併せ馬を消化できているのは何よりの好材料。

ビュイック騎手が跨った最終追いも折り合いが付いた分、終い促すと抜群の瞬発力で伸びたように動きは文句なし。調整過程からも無理をせず、立て直した効果はてき面と判断していいだろう。

それに、今年イクイノックスが勝った国内の宝塚記念・天皇賞（秋）を振り返ってみれば、必ずその後ろにいたのはＣ.ルメール騎手がそれまで手綱を取っていた馬。（スルーセブンシーズ、ジャスティンパレス）スターズオンアースもその資格をこのメンバーで唯一有している一頭。

ここまでのキャリア10戦あらゆる舞台、展開となろうが崩れなかった二冠牝馬がベストパフォーマンスを発揮できる舞台に帰ってくるとなれば、強豪２頭に一矢報いるチャンスは大いにあるとみた！

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