２着候補ではなく

手前味噌だが、この秋のＧIで予想＆馬券が６戦５勝。本命党ならまだしも、秋のＧIで１番人気馬に◎を打ったのはエリザベス女王杯のブレイディヴェーグのみという穴のスタンスを自負している身にとっては、ちょっと考えられない状況であり、ウン十年の競馬キャリアでも初めての現象である。そんな中で唯一外したのが、イクイノックスに◎を打たなかった天皇賞。あれだけの凄さを見せ付けられて、ここで改心して◎を打つか、再び逆らった上でリベンジを狙うか。答えはもちろん後者である。

そのイクイノックスは、とんでもないレコードでぶっつけの天皇賞を勝っての中３週。反動はないと判断すること自体は無理としても、出てくる以上はそこまでの不安がなく、天皇賞を１００として９０くらいの力は出せるデキであろう。実際に、今回のメンバーでは９０のデキでも勝てるだけの能力の違いはある。

しかし、この馬が出てこなければ、軍門に下ってイクイノックスに◎を打ったかもしれないと思えるのが、来週のチャンピオンズＣ予定をこちらに切り替えたパンサラッサの存在だ。ゴール板までに並ばれた時点で一巻の終わりだが、ここは昨年の秋天でイクイノックスを苦しめた離し逃げ、それも玉砕的と思えるペースで飛ばす手に出るはずだ。ルメールとあろうものが、そんなペースに惑わされることはないのは確かだが、首に鈴を付けに行かないまでも、イクイノックスはやはり前で早目に、という競馬になるのではないだろうか。そうなると、漁夫の利を得るのが後ろでジックリと運ぶ馬たち。前を捉えて先頭に立ったイクイノックスが目標とされての強襲劇だ。その可能性は低くはなく、まして１００ではなく９０のイクイノックスであれば、なおさらであろう。

◎はダノンベルーガ。ダービーで４着、昨年のこのレースで５着と、２４００ｍでは結果を出していないものの、気難しい面を見せていた３歳時とは違い、落ち着きが出た今なら、むしろこの距離でこその感を受ける。前走の天皇賞は状態面で完調手前だった感もあり、イクイノックスと同じ中３週でも上積みを見込んでいいはず。イクイノックスの２着候補としてではなく、頭狙いでの勝負馬とした。