人馬ともに衰え知らず

カッチーこと田中勝春が調教師試験に合格し、先日鞭を置いた熊沢重文に続いてまた一人５０代のベテランジョッキーが姿を消すことになったが、現役最年長の柴田善臣はまだまだ元気だ。ガムシャラに騎乗馬を確保するタイプではないだけに、さすがに今年の勝利数もまだ一桁にとどまっているが、存在感には衰えがない。ここは５戦ぶりに手が戻ったリュウノユキナに◎。

これまた８歳の暮れを迎えても衰え知らずの馬だ。本格化を果たした５歳の秋以降、丸３年間で、馬券対象から外れたのはサウジアラビアに遠征しての６着と、１４００ｍで行なわれた時のＪＢＣスプリント５着のみ。国内での１２００ｍ戦では中央地方を問わず、いかなる時でも崩れない驚くべき安定ぶりだ。昨年のこのレースでも、勝ったリメイクにこそ水を開けられたものの、出遅れて本来のポジションで運べなかったにもかかわらず２着を確保。当時も手綱を取っていた柴田善臣がこの馬の全てを知り尽くしているかのような騎乗ぶりだった。リメイクのような強敵も不在の今年は、鞍上にとっても９月の紫苑Ｓで横山典弘に破られたＪＲＡ最年長重賞勝ちの記録を取り戻す絶好機と見た。