可能性に賭けてみたい

先週の“２歳女王決定戦”阪神ジュベナイルＦは、横綱格が不在だったにもかかわらず、好時計の決着。ここ数年来の傾向でもあるが、牝馬のレベルが底上げされていることを示す結果となった。

一方で牡馬はと言えば、ホープフルＳ創設以降は有力馬が使い分けられて、この朝日杯ＦＳが世代の頂上決戦ではなくなっているのは当然としても、重賞勝ち馬はそこそこに揃っていながら、抜けた存在はない。しかも、ここにホープフルＳに回る組を合わせたとしても、牝馬ほどレベルが高い印象を受けない。ならば、多くの馬に可能性があるはずだ。まだ能力差がしっかりと定まっていない２歳馬の戦いなら、なおさらその可能性に賭けてみたい。

◎はナムラフッカー。前走のデイリー杯２歳Ｓは、出負けして後方からという思わぬ展開を強いられながら、直線ではメンバー最速の上がりで３着まで追い上げて見せた。勝ったジャンタルマンタルとはコンマ５秒差で、けっして“惜しい”着差ではなかったものの、相手はラチ沿いをロスなく抜けてきたものであり、仮にこちらも同じ立ち回りができていたら、僅差どころか、という計算も立つのではないか。それでいて、人気でこれだけ大きく差が開くのであれば、狙う価値がある。

ここは多頭数で外目の枠を引いてしまったが、前走が怪我の功名となって控える策を取るのであれば、むしろ競馬もしやすいはず。スプリント寄りの馬たちが引っ張る流れになってくれれば、より決め手も生きると見た。