三冠は逃したものの

中央と地方の垣根を越えて整備された３歳のダート三冠路線。その元年の最初の冠レースとなった先日の羽田盃はアマンテビアンコが制したが、頭数のみならずメンバーレベルを考えると、皐月賞馬や桜花賞馬並みの評価は残念ながら与えられないだろう。かなり早い時期に賞金を稼いでおかないと、中央馬は能力があっても出走にこぎつけるのは難しいという問題点は、今後のルール改正次第で何とかなると思われるが、たとえアマンテビアンコが三冠を達成したとしても、後々に“あの世代で一番強かったダート馬はフォーエバーヤングだよね”と語られそうなのは、残念である。

ここは、◎ラムジェットで大勝負とした。

直接対決のない有力馬が多く、能力の比較も難しいメンバー構成の中で、過去３勝が全て左回りのワンターンというのは、嫌われる材料なのだが、これがもしも昨年までの東京マイルダートでのユニコーンＳなら断然人気だっかたかもしれない馬である。それくらい前走のヒヤシンスＳは強い内容だったものであり、単純なポテンシャルの比較では最上位と言っていいはずだ。

過去２度の敗戦は若駒らしい精神的な脆さを見せた形であり、前走のレースぶりを思えば距離延長自体にプラスはあってもマイナスはないだろう。コーナリングの問題はさておいても、乗り替わって２連勝の三浦騎手ならば、直線でどれだけの脚が使えるかは一番わかっているはず。三冠はすでに逃したものの、ここから二冠馬となるだけの可能性は十分にある馬と判断した。