悪い流れ

結果的には人気を分けた２頭でのワンツーフィニッシュで、馬連は３６０円の低配当となった先週のＮＨＫマイルＣだが、ヴィクトリアマイルも２頭の人気が傑出して似た様相となっている。今週もまた、なのか。今週こそは、なのか。もちろん立場的には後者の選択である。

ただ、ナミュールには隙らしい隙はない。マイルＣＳ勝ち以降は香港とドバイで世界の強豪と互角に戦っての３着２着。ともに日本馬には先着を許していないのだから、国内のマイルＧIを３連勝しているのと同等の価値があるだろう。そのドバイから中５週の強行軍ではあるが、ここ３戦よりもグッと相手が楽になる牝馬同士であれば、そこまでの状態でなくても勝てるはずだ。

しかしながら、ひとつ気になるのは今年のＪＲＡにおけるＧIの“流れ”である。勝ち馬は全てＧI初制覇となった馬であり、３歳ＧIはともかくとしても、古馬ＧIでタイトルホルダーがことごとく２着以下に敗れている点は見逃せない。何故そうなっているのかは、あくまで“たまたま”であり、だからナミュールが勝てないと断言するのも暴論なのだが、勝負事に“流れ”は付きもの。どこかで断ち切られる流れではあっても、そうなるまでは流れに乗りたい気もする。

◎はウンブライルとした。

ナミュールと人気を分けるであろうマスクトディーヴァには、今年２戦とも先着を許しているが、２走前の東京新聞杯は骨折による９ヶ月ぶりでコンマ２秒差。前走の阪神牝馬Ｓでも、相手が抜け出してゴール前では余裕の手応えだったとはいえ、外を回るロスがあってのコンマ１秒差であり、正直言って人気ほどの能力差はないと考えたい。しかも、同じＧI２着馬であっても、この東京マイルで牡馬を相手に僅差２着の実績は何よりの強調材料だろう。気持ちが走る方に向かわずに凡走の過去もある馬だが、テン乗りの前走で走る気を引き出した川田騎手の継続騎乗もまた、逆転への後押しとなるはずだ。