ダービーと同じ舞台のＴＲなのに

全く同じ舞台のトライアルなのに、これほど本番に嫌われているレースはないであろう。勝ち馬はもとより、ここをステップにダービー馬となった馬がいまだ不在である理由は、もちろんメンバーレベルの問題もあるのだが、やはり中３週とはいえ若駒には過酷な東京２４００ｍで連続好走をすること自体が厳しいということに他ならない。特に関西馬にとっては長距離輸送も伴うだけに、むしろ中２週でも京都新聞杯をステップとした方が状態を整えやすいだろう。予想や馬券の組み立てにおいても、ダービーをそこまで意識せずに、普通の重賞と考えるべきだ。

◎はノースブリッジとした。デビューからの２連勝で、クラシック候補の仲間入りを果たしながら、挫跖が続いてその度に路線を変更せざるをえなかった馬。それだけに、何とかダービーへ出走させようという、ここへの調整過程は十分に納得できるものがある。過去２戦は逃げ切りだが、ともに絶対スピードの違いを見せただけのことで、おそらく逃げないと競馬ができないタイプではないだろう。ここを勝ったとしても、次のダービーでは手を出す必要はないとはいえ、今回に限っては“負けていない馬は強い”ということを信じたい。