牝馬の時代

昨年は古馬の芝ＧIレースにおいて、ことごとく牝馬が連に絡んだが、唯一、絡めなかったのがこの天皇賞・春である。ただ、底力が求められる長距離戦で牡馬が牙城を守った、というのは大間違いで、牝馬の出走が今年も出走しているメロディーレーンのみだっただけなのだ。当時、２勝クラスの条件馬に、そこまでの仕事ができなくて当然だったろう。その牝馬の大将格ならぬ女王格だったアーモンドアイが引退したことで、牝馬上位の流れも少しは収まるかと思われた今年だが、高松宮記念でレシステンシアが２着、そして大阪杯ではレイパパレが勝った。何てことなはい、まだまだ牝馬が強いではないか。６７年もの間、牝馬が勝てなかったレースですら、もはや陥落して不思議のない状況。極論すれば、重要なステップレースである日経賞でワンツーを決めた牝馬のどちらかが連に絡む確率が限りなく高いと見ていいだろう。

◎はカレンブーケドール。上記した理由のみならず、ジャパンＣや有馬記念で見せた走りは、ここでも明らかに能力上位と言えるもの。重賞未勝利馬とはいえ、もしもナントカ牝馬ステークスに出たらぶっちぎって勝てるくらいの力はあるはずだ。かなりの底力が求められる東京２４００ｍや、それとは全く違うタフさが求められる中山２５００ｍをこなした馬に、３０００ｍ超の距離を不安視する必要はない。

相手本線はアリストテレス。昨年のＧI勝ち馬が不在というメンバー構成において、勝ちに等しい内容だった菊花賞２着は何より評価すべきだ。