勢力図に変動なし

コントレイルの３冠達成は濃厚。感覚的には先週のデアリングタクト以上に戦前から受ける確率は高いのではないかと感じている。内回り・外回りの舞台設定なども要因としてはあるが、何より、純粋な『力量差』に牡馬路線の方が開きがあると感じるからだ。もっと言えば、異論なしのナンバー２であるサリオスがいない状況もその論に拍車をかける。


じゃあ本命はコントレイルだろうが！というお叱りもあるかもしれないが、印の打ち方に関しては基本的にマイルールがあるので、この機会に知ってもらえると有り難い。

皆さんが買われる馬券には様々な種類があるが、我々ダンゴ打ちは基本的には馬連を的中のベースとして考えている。つまり、提供する予想は１、２着を当てて初めて〇が付く訳だ。そこで私が常々思うのは、『1、２着馬のうち人気の無い方に◎を打ちたい』ということ。これはレースの様相によって変わってくるものだが、先週や今週のような主役が決まっているレースではより意識が強まる。同じ的中でも大本命の相方をズバッと指名して当てたい！という、自己満足にも似た謎の使命感を持ってしまうのだ。

そんな考えだから的中率には恵まれない訳だが(汗)、この稼業に就いている限り、去るまでには誰かの記憶に残る神予想を残したいという高尚な想いもあるし、きっとその相方をズバッと指名できた際には、参考にしてくれた方の記憶に残るＴＭにはなれたはずとモチベーションを高めることに繋がる。私の場合、２０年もトラックマンでいられた原動力はそこにあると思っており、これからもそんな気持ちは大事にしていきたいのだ。


当ててナンボは百も承知。格好つけたいだけなのかもしれないが、一つでも多く納得の見解と予想を提供できるよう今後も頑張ります。



さて、前置きが長くなりましたが、そんな観点からコントレイルの相手に指名するのは◎ディープボンド。

結局、最も重要視するべきはダービーだという点は、オークス1、５着で決着した先週の秋華賞とよく似た構図だろう。そのダービーは差し追い込み決着の中、早め先頭で５着に健闘。手応え以上の渋太さは目に付くものだったが、今にして思えば、キレる脚がないこの馬にとって春の東京の馬場は合っていなかったようにも思う。

1000m通過５８秒３の京都新聞杯を早めの立ち回りで勝ち切り、神戸新聞杯も２度の坂越えがあるタフなコースの中、1000m通過５９秒９のキツい流れを４着に踏ん張っており、スタミナの下地は十分過ぎるほど。コントレイルを除けば、近走で先着された馬は全て展開を味方につけた直線勝負型の馬であり、3000mの舞台ならば、横一線の次位争いでヒケを取るとは到底思えない。

セントライト記念に神戸新聞杯を上回る要素を見い出せなかったことから『春の力関係は変わっていない』が結論で、全２勝をあげる京都の馬場と3000mで浮上するのはディープボンドを於いて他にないだろう。