〜1年越しの想い〜

グリーンチャンネルの名物企画『炎の十番勝負』にて、昨年のNHKマイルCの勝ち馬に指名していたのが◎サリオス。３月時点で皐月賞の出走や結果も分からぬ段階での指名馬とはいえ、ダービーと天秤にかけた際、必ずやマイル路線へ舵を切るはず…との偏向した考えを持っていた。結果的には順当に？クラシック路線を歩み私の十番勝負は何もなく終わった訳だが、要は、個人的にそのくらいマイル路線での期待が大きい馬なのだ。

何せマイル戦は２歳時に３戦３勝。朝日杯FSでは付いてきた馬達を軒並み失速させる正攻法で２着に２馬身半差を付ける大楽勝。まるで歯が立たなかった２着タイセイビジョンと８着ラウダシオンがNHKマイルCで４、１着の入線し、その後のマイル路線でも古馬に通用していることはサリオスの可能性を大いに膨らませてくれる。その1走前のサウジアラビアRCの走破時計１分３２秒７は衝撃以外の何物でもない数字。『東京マイル』『速い時計』に確かな裏付けがあるのは早い段階で実証済みなのだ。毎日王冠も含めた１８００ｍ以下では５戦４勝。唯一の敗戦が外枠からロスしかなかったマイルCSの５着で、逆に２０００ｍ以上の距離では２、２、５着と勝ち星は無し。適性は火を見るよりも明らかであり、ようやく迎えたベスト舞台なら期待しない訳にはいかないだろう。

難敵は当然ながらグランアレグリアになるが、適性からズレた大阪杯(アチラもそうかもしれないが…)は馬場のバイアスや展開を考慮した際に互角のレベルにある。グランアレグリアがヴィクトリアMを経由し、自身初の中２週(中３週のNHKマイルCで敗戦)での臨戦。爪のケアをしながらの坂路調整という未知な面を思うと、前走後に安田記念に絞り体調面での不安がないサリオスに食指が動くのも理解の範疇だろう。

ちなみに単純な乗り込み本数は昨秋の毎日王冠と同本数であり、当時も最終追いは４Fからの控え目な内容。今回の直前軽目の調整は気にする必要もないとの私見だ。



人も馬も女心は掴みにくいもの。数多の名牝が『えっ？』という敗戦を喫してきた過去は数えきれない。それはグランアレグリア自身が３歳時とはいえ中３週のローテーションで見せた姿でもある。

別にへそ曲がりに重箱の隅を突ついている訳ではなく、普通に対抗し得る馬が見つかっているのが今回の安田記念の組み立て。個人としては１年越しのマイル王誕生の夢物語を期待して止まない。


当然ながら単勝が勝負所にはなるが、重箱の隅を突つく以上はグランアレグリアを過信し過ぎずスケベ心を貫きたい。