機は熟した

◎はソウルラッシュとした。

この馬にとって安田記念は鬼門である。今年同様にマイラーズＣを勝って臨んだ４歳時は、直線で全く進路が見付からないままの13着。そして昨年もスタート後の不利で崩れたリズムを最後まで取り戻せないままの９着。芝のマイルでは、この２戦を除いて全て４着以内の安定ぶりを誇る馬であり、能力がＧIレベルにあることは、セリフォス以下に完勝した今年のマイラーズＣからも火を見るより明らかである。

当然ながら、コース適性やこの時期の体調面などに問題があるのではないか見る向きもあるだろうが、脚質や富士Ｓで好内容２着の実績を考えれば、東京マイルが悪いわけはない。体調面にしても、３年連続でマイラーズＣからのローテーションを選択したあたり、“今までやってきたことに間違いはない”という陣営の自信の表れではないか。要は運の問題。三度目の挑戦のみならず、悲願のＧI制覇請負人として起用されたマジックマンもまた三度目の騎乗であれば、機は熟したと見る。

確かヴィクトリアマイルの予想で、今年のＧIは全てＧI未勝利馬が初制覇を成し遂げている流れのことを書いたが、そこでＧIどころか重賞未勝利馬が勝った結果以降も、その流れは継続している。この上ない追い風ではないか。