人間五十年 下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり

紆余曲折あった大河ドラマ「麒麟が来る」が完結。「是非に及ばず」とは織田信長が明智光秀の謀反を知った際に放った言葉とされている。真偽はともかく、その心境は如何ばかりだったのか。憤怒、諦観……それとも。いずれにせよ、巻き戻すことの出来ない己の運命を悟りながらも、最後の瞬間まで己らしくあろうとしたのではないだろうか。

ちょっとしたポエムを書き終えたところで「ゼヒニオヨバズ」の話。昇級初戦の前走が12着、最下位大敗と箸にも棒にも掛からぬようだが、脚部不安の放牧を挟んでの一戦。陣営は叩いてから、と控え目だが、坂路でラスト１Ｆ12秒フラットをマークしているように、決して仕上がりは悪くなさそうに映る。

前走大敗もこの馬がサウスポーだとすれば、敗因に説明も付く。２勝はどちらも左回りの新潟で、当舞台こそ４戦して３着が１回だけだが、４戦中３戦で上がり３Ｆ３位以内をマーク。本来は逃げ馬でもなく、要は気持ちの問題。それだけに久々の方がフレッシュな精神状態で臨めるというプラス材料になる。混戦模様で手広く流さねばならぬのは、是非もないか。