人気が落ちるなら！

最重要ステップレースの秋の天皇賞は極端な切れ味勝負になり、逃げ・先行馬が残る流れをドウデュースが鮮やかに差し切りました。この勝ち方を見て「ジャパンカップも大丈夫！」と思う人にとっては相手探しのレースです。一方、見立てが違う人にとってはかなり難解なレースになります。個人的には後者という前提で話を進めることにします。

昨年の有馬記念もそうでしたが、武豊騎手はこの馬の持ち味を最大限に生かすために後方でギリギリまで末脚を温存して一気に爆発させる作戦を取っています。これはあまり長く脚を使えないという判断からの戦法だと推察されますが、本来ハーツクライ産駒は切れるというより持続的な末脚を武器にすることが多いことで知られています。実際、過去にハーツクライ産駒でジャパンカップを制したシュヴァルグランとスワーヴリチャードのレースの上がりは35秒1と37秒2でした。

ところがドウデュースに関しては2歳のG1を勝つという早熟性を見せながら、3歳はダービー、4歳は有馬記念、5歳は秋の天皇賞と成長力を見せてきました。更に前走で使った32秒5という切れ味は典型的ハーツクライ産駒とは明らかに違います。成績にもムラがあるのでピンポイントで狙うのが難しいタイプだと感じています。今回もスローペースの団子になれば、かなりの確率で勝ちそうですが、JCは概ねラスト1000メートルからの消耗戦となるケースがほとんどです。危険な人気馬とまでは言いませんが、スタミナを問われて伸び切れず昨年と同じくらいの着順というケースも考えておいた方がいいでしょう。

ドウデュースに一抹の不安ありということで◎はドゥレッツァにしました。春の天皇賞は59キロで金鯱賞を使った反動なのか、最終追いの動きに精彩を欠いて、当日はマイナス8キロだったのも応えた印象です。振り返れば菊花賞では皐月賞馬とダービー馬を子ども扱い、勝ち時計もサトノダイヤモンドやキタサンブラックよりも速いのでポテンシャルだけなら現4歳で頭ひとつくらい抜けています。英国のインターナショナルSは勝ち馬から大きく離されたもののヴェルメイユ賞と凱旋門賞を連勝するブルーストッキングとは0.3秒差でした。2400メートルは初めてですが、東京コースで2戦2勝、母はニュージーランド・オークス（芝2400メートル）を勝っているので特に不安視する必要はありません。追切りの動きも春天のときとは雲泥の差なので変わるなら今回だと思います。

ドウレッツァからだけだと心もとないので世代レベルの高い5歳でローテーション、内枠などプラス材料があるジャスティンパレスからも買ってみます。